みなさんは岡山と聞いてどんなイメージを浮かべますか?中国地方と四国を結ぶ交通網の要衝だったり、桃やぶどうが有名だったり、最近では美術館が多いこともあってか、芸術祭が開かれる都市としても有名です。

晴れの国、岡山

岡山駅に着いたら、歓迎してくれているかのような快晴。さすが晴れの国、岡山。そう呼ばれるのは、一年を通して降水量が1mm以下の日が全国で一番多いから。旅は身軽でいたいから、雨の心配も少ない方がいい。 それではぶらりと参りましょうか。

故きを温ねて(ふるきをたずねて)

知らない街を訪れたら、まず古い街並みを探すことにしている。その場所の歴史を知ることができるし、古いものに今の感覚を重ねたお店が出来たりしていて、また新たな活気を感じることができるから。

酒飲みは入れない?

ここにも大正ロマンを感じさせる古い建物。しかし「禁酒會館」とは何やら曰くありげな看板。酒飲みは入れないのだろうかと中を覗くと、おばあさんがひとり編み物をしていて、なんとものんびりした雰囲気。聞けばここは大正からある建物で、当時社会不安が募り、お酒に逃げる人が多くいて、その人たちを支援する禁酒運動の拠点として建てられたそう。今はカフェとして営業していて、当時の名残りかメニューにお酒はない。 店主が丁寧に淹れてくれた美味しいコーヒーを飲みながら、ああ、お酒が弱い私はコーヒーがあってよかったなぁ、と思う。

昭和モダニズム

その土地の名建築を見たければ、まず庁舎を訪れるべし、とはその言葉通り。目指した岡山県庁の、その姿は圧巻。この庁舎は昭和32年に建てられたもので、当時ではまだ珍しいコンクリート構造、デザイン性高いカーテンウォールの壁面はとても斬新であった。60年たった今もなお、その姿は堂々としていて、威厳を漂わせている。

「?」から始まる現代アートへの誘い

街に突然現れる謎の数式。なぜここに? この建物は一体なに? これはアート?と、いろんな「?」が浮かんでくる。実はこの数式、地球温暖化を分析、理解するための数式で、さらにはこの建物、泊まることもできて、全てが「アート」なのだそう。ここにあるのは11月24日まで開催されている芸術イベント「岡山芸術交流2019」の展示の一部。恒久的に設置されるものもあるので、街でアートを見つけたら、いろんな思考を巡らせてみるのもいいかもしれない。

ピラミッドの秘密

懐かしい雰囲気を醸し出す看板を見つけた。その名も「フッセン」。お店に並んでいるケーキは三角形で、「キャラメル」や「いちご」など様々な種類があるが、聞くとどうやら「バウムクーヘン」なのだとか。あの丸いバウムクーヘンを焼く機械はとても高価だったため、ご主人が工夫を重ねてこの形に。そして四角じゃつまらないから「三角形」にしたのだろう。おにぎり型をしていて食べやすいし、何より忘れられない形である。なぜか懐かしさが蘇る、優しく、美味しいケーキだった。

Born in OKAYAMA

晴れの国岡山は、日照時間が長く、気温や湿度も一年を通して安定している。だから甘く瑞々しい果物が育つ。青果店の店主曰く、「日本で初めて桃が栽培されたのはここ岡山。やっぱり桃は岡山が一番だし、葡萄だって岡山だよ。」

桃が先か、桃太郎が先か。

岡山は、桃太郎伝説が伝わる場所でもある。ふと思う。岡山の桃と、桃太郎は何か関係があるのだろうか。 桃太郎の物語は室町時代の末期に生まれたらしく、発祥といわれる地は全国各地にある。 ここ岡山に伝わる話では、その昔、この地に「温羅(おら)」と呼ばれる鬼がいた。その鬼を退治するために朝廷から司令を受けたのが、当時この地域(吉備国)を平定した「吉備津彦命(きびつひこのみこと)」。この人物こそ桃太郎であると言い伝えられている。戦いの中で老漁夫が命(みこと)に「きび団子」を献上し喜ばれたという話もあり、家来を従え鬼を退治した。 そう、岡山と桃太郎の共通点は「桃」だけでなく、吉備の菓子「きび団子」もある。そこで昭和になって大々的にPRされ、岡山=桃太郎のイメージが定着したのだそうだ。

文化と歴史を感じる素敵な街、岡山。

ぶらり旅もそろそろ終盤、 日本三大名園のひとつ「後楽園」へ。 築庭から三百年を超えたこの庭園の佇まいは、悠久の時が流れているかのよう。 この地の歴史に思いを馳せ ゆっくり休んだら この旅最後の目的地へ。

『999.9 selected by KAIROS』は、岡山市の中心にあるフォーナインズ ショップ。 このお店の店長にお話を伺いました。

999.9 selected by KAIROSはどんなお店でしょうか?
中国地方初のフォーナインズ専門店として、2005年5月9日にオープンしました。市内はもとより、近県からもお客さまがいらっしゃいます。スタッフは4名いて、前職はバイク屋さんだったり、靴屋さんだったり、みんなバックグラウンドが違うんですよ。だからこそお客様に対するプレゼンテーションの幅も広がり、それらがリンクしてこのお店らしさを生んでいると思います。キャラの濃いスタッフが多いですね。笑

999.9 selected by KAIROSらしさとは。
お店とお客様との繋がりはもちろん、お客様同士の繋がりが生まれるのも、このお店らしさですね。フォーナインズを選ばれるお客様だから、近い価値観をお持ちなのかもしれません。愛車のクラシックカーに、お店のロゴを入れてくれているお客様もいらっしゃるんですよ。

999.9 selected by KAIROSから見る、フォーナインズの魅力とは。
見たいものを楽に視ることができ、掛けていることを忘れてしまうくらいのもの、掛けることで喜びと楽しさを感じ、大切にしたくなるもの、それがいい眼鏡だと考えています。これらを高い次元で実現しているのがフォーナインズだと思います。そして、スタンダードからクラシック、スポーツラインまでオールカテゴリーが揃い、年齢、性別、使用環境の境がなく、家族みんなが掛けられる。ひとつの眼鏡ブランドでここまで幅広く対応できるのもフォーナインズの魅力のひとつです。

岡山の好きなところ、オススメを教えてください!
晴れの日が多くて、暮らしやすいところ。北に山、南に瀬戸内海があるので、山の幸、海の幸、両方楽しめます。豊かな自然も身近にあり、蒜山(ひるぜん)のキャンプ場はツリーハウスがあったり、冷泉が湧いたりしていて面白い場所です。最近では瀬戸内国際芸術祭や、岡山芸術交流などアートイベントが盛んなところもいいですね。

来年15周年を迎えますが、これからについてお聞かせください。(※取材は2019年)
自分たちの持つ〝らしさ〟を大切にしながら、フォーナインズの魅力を伝えてきたからこそ、今のお客様との繋がりが生まれているのだと思います。これは初代店長から変わらずに受け継いできたものです。そしてこれからも、スタッフと共に、この想いを変えることなく継承してゆき、お店とお客様との繋がりを大切にしていきたいです。

999.9 selected by KAIROS

岡山県岡山市北区表町2-3-8 ジェムシティ表町1階
Tel. 086-227-4949
営業時間 10:00~19:00
定休日:火曜日(祝日は営業)

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